
力学系理論と時系列機械学習を援用した 複雑現象の数理モデル構築と中長期予測
齊木 吉隆
さいき よしたか
経営管理研究科経営管理専攻 教授 商学部 教授
研究概要
複雑現象を数学・数理科学で理解することを目指し、力学系理論を基盤に研究を進めている。近年は、時系列機械学習を活用したデータ駆動型モデリングにも注力し、流体、気象、経済・金融など多様な時系列データを対象に、理論と実データを融合した学際的なアプローチを展開している。 気象分野では、短期予測ではなく数週間から数年単位の中長期予測に適した手法を開発し、マッデン・ジュリアン振動やエルニーニョ・ラニーニャ現象など複雑な大気海洋相互作用の解析に取り組んでいる。 経済・金融分野では、経済活動の周期性や決定論的な法則に基づき、中長期的な動向パターンの抽出や変動要因の分析を行い、リスク管理や市場予測への応用を目指している。
特徴・独自性
理論的知見と時系列機械学習を組み合わせ、複雑で高次元な現象から中長期的な秩序構造をもつダイナミクスを抽出するモデルを見出すところに特徴がある。特に大気と海洋が複雑に影響しあう「大気海洋インタラクション」など、既存理論だけでは解明しにくいが一定の秩序構造が存在する現象に焦点をあて、データ駆動型の中長期予測モデルを構築している。 さらに、金融や経済の時系列データを用い、一定のルールに従って動く長期間の動向パターンを見つけ出す分析に応用している点に独自性がある。
応用可能性
気象予測や経済・金融の中長期予測など、社会的課題解決に直結する応用可能性を有している。特にエルニーニョ・ラニーニャ現象など数年単位の気候変動予測や、為替変動の同期解析は、防災計画や金融リスク管理に貢献し得る。 また、農業や水産業など季節変動のある出荷・仕入れを扱う分野では、中長期的な気象予測情報が不可欠であり、これらの領域で本研究の解析技術を活用できる可能性がある。 【社会実装想定】気象会社、電力・エネルギー、食品・農業、保険、金融、物流、自治体防災
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